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特発性過眠症は毎日12-14時間睡眠、長く途切れない夜間睡眠、睡眠酩酊、起床困難、認知機能障害、覚醒時に爽快感のない1時間以上の昼寝などの一連の症状を呈する疾患です。
特発性過眠症はチェコスロバキアの医師Bedrich Rothが、ナルコレプシーと区別できる過眠症として発表したのが始まりです。特発性過眠症が世界で一番最初に文献に登場するのは1956年の文献で"Sleep drunkeness"「睡眠酩酊」(すいみんめいてい)と記述されたことでした。この一連の症状を呈するグループは後の1976年に「特発性過眠症」と正式に命名されました。
特発性過眠症の「特発性」という言葉は「原因不明」という意味です。しかし、本来「特発性過眠症」は「原因不明の過眠の症状」とは別の意味を持つものでした。この用語はその用語の発表以降、様々な研究団体から様々な解釈や定義を受け、今現在の臨床医療現場では原因不明の過眠の症状と同意義に解釈される傾向にあるようです。
特発性過眠症は世間一般並びに医療関係者にすら多くの誤解を受けている疾患です。
当団体と同様の見解は世界で一番大きな特発性過眠症専門啓発団体より啓発されています。研究発表などは同団体から引用させていただきました。
私たちはこれらの特発性過眠症の研究団体の発表をもとに最新研究に基づき活動計画を立てています。
現在の特発性過眠症について:
特発性過眠症に関して何か1つの情報を取り上げると
「あの有名な学会の有名な専門医さんがこう言ってるので、この情報が正しい。」
「いや、こちらの別の偉くて有名な学会の別の研究発表にこういう記載がされてるので、この説のほうが正しい。」
「いやいや、こっちの偉くて有名な研究機関の有名な研究者さんから別の発表がされているので、その説は間違えている。」
と議論になってしまう傾向にあります。
特発性過眠症の一つの定義を取り上げると
「うちの子は有名な学会の認定医療機関の〇〇病院(*有名で偉い病院)の睡眠専門医の〇〇先生(*有名で偉い先生)に大きな病院で規定の入院検査の上できちんと診断を受けているけれども、そんな症状はないからそんな間違えた情報を発信しないでほしい。」
という苦情をいただく状況ですが、
「現在の特発性過眠症はその睡眠専門医の〇〇先生(*有名で偉い先生)はそう言っているけれども、その偉くて有名な〇〇先生と同格ランクに有名で偉い別の先生が複数存在し、その全員が別々のことを主張している状況です。」
とお伝えしています。
現状の特発性過眠症に関して
「偉くて有名な学会」
「偉くて有名な研究機関」
「偉くて有名な大きな病院」
「偉くて有名な専門医さん」
「偉くて有名な研究者さん」
「偉くて有名な研究発表」
「偉くて有名な公式研究文献」
は複数存在し、その複数が同格くらいに「偉くて有名」であり、その全員が個々で別の主張をし、別の文献に別の説が記載されているような状況なのです。
現在、特発性過眠症の定義や診断基準に問題があり、現存する様々な医学文献で様々な別の定義がされております。
睡眠専門医も特発性過眠症の定義の解釈が個人個人で異なり、現在の臨床現場では1人の同じ患者さんが同じ検査結果を持参して別の病院を受診するだけで過去に特発性過眠症の診断を受けていた患者さんが別の診断名になることやその逆のことが起きるのが通例です。
この件で極端な例では同じ病院内ですら受診曜日が変わり担当医が変わるだけで違う診断名になるという患者様がいらっしゃる状態です。
特発性過眠症の診断基準は常に問題視され続け、公式診断基準が歴史上何度も変更になっております。
そして、今現在の一つの診断基準をとっても解釈の幅が広すぎて一つの疾患を定義をすることができません。
特に今現在臨床現場で使用されているPSGとMSLTという診断基準はその正しいプロトコルに従ってされた場合にも健康な一般人口ですら約5〜3人に1人が陽性になってしまうという大きな問題があります。
そして、この現在臨床現場で広く使われている特発性過眠症のMSLTの診断基準は既に廃止が決定されております。
現在、「特発性過眠症」という疾患は「もっとも過剰診断された睡眠障害」とも言われております。
そして、今現在の診断基準で特発性過眠症の診断を受けている患者様は医学的に定義可能な一つの疾患ではなく、別の原因で眠気を呈する「様々な原因で眠気を呈する疾患等の集合体である」という見解が様々な研究で強く支持を受けています。
現在の診断基準は健常者の睡眠不足症候群の方を主とする様々な疾患等の患者様が診断を受けるという問題があります。
当団体はNPO法人過眠症患者会の元・現メンバーで立ち上げた団体です。私達は約100名の特発性過眠症の診断を受けてきた患者様と直接接してきました。
私達は過眠症患者会で行われたアンケートの統計により、現在特発性過眠症の診断を受けている約半数の患者様が長期に渡り1日に4時間以下の睡眠時間が取れていないを把握しています。成人の睡眠時間は7−9時間であり、個人差があります。しかし、この時のアンケートでは8-9割くらいの患者様が毎日長期の睡眠時間の平均が9時間以上で寝ていれば眠くないと証言しておりました。
この時のアンケートから現在臨床現場で診断を受ける患者様には健常者の方の睡眠不足症候群もしくは体質的に長時間の睡眠時間が必要なロングスリーパーの方の相対的睡眠不足であると思われる症例が多く含まれること。また、発達障害関連過眠症、内分泌疾患、免疫疾患、結合組織疾患、その他様々な2次的に過眠を引き起こす疾患の除外診断が不十分である現状も把握しています。
私達の活動方針:
こう言った状況を踏まえまして、当団体では現在の診断基準で「特発性過眠症」の診断を受けている患者様グループに対し、主に下記の疾患のサポートを行っています。
・睡眠不足症候群
・ロングスリーパー長時間睡眠体質の相対的睡眠不足
・発達障害関連過眠症
・その他、過眠を呈する様々な疾患等
・様々な診断基準で定義されてきた特発性過眠症全般
現在、特発性過眠症は診断基準の大幅改定が発表されており、今診断を受けている多くの患者様が別の疾患名に移行することが予想されます。また、今後に今まで特発性過眠症の診断基準に合致しなかった多くの患者様が特発性過眠症の診断を受けることが予想されます。特発性過眠症は歴史上公式診断基準が何度も変更になっており、次回の診断基準改定でも今までと同じ混乱が予想されます。
現在、睡眠障害国際分類第三版ICSD3の診断基準を「特発性過眠症」の公式診断基準として取り上げ啓発するウェブサイトが多く存在することと思います。
しかし、その診断基準は既に廃止と改定が発表されている、支持をした研究が皆無であり、出版元や筆者すらも否定的な意見を述べているものです。健常者の3人に1人が陽性になる高確率の偽陽性率で問題を引き起こしている診断基準を特発性過眠症と定義し啓発することが正しい啓発方法ではないことに議論の余地はないでしょう。
特発性過眠症という疾患名はもともと1976年チェコスロバキアの医師Bedrich Rothという研究者により世界で初めて発表された疾患です。この当初の特発性過眠症という用語は典型例毎日12−14時間の睡眠時間、睡眠酩酊、起床困難、等の一連の症状を呈し、今まで過眠症という名前で呼ばれていたナルコレプシーという疾患の特徴を全く持たない新しく発見されたグループに対してつけられた名称でした。
今現在、過眠症と呼ばれる他の疾患にナルコレプシーがあります。(より詳しい説明はこちらのサイトをご覧ください。)
ナルコレプシーという疾患は1型と2型が存在します。現在までの研究でナルコレプシーはオレキシンの減少や脱力発作などその他一連の一貫した症状を呈する1型のみが本物ナルコレプシーであり、ナルコレプシー2型の多くの症例はナルコレプシー1型のために開発されたMSLTという診断基準が存在したことのみにより存在しているという説が多くの研究者の支持を得ています。
ナルコレプシー2型の診断基準である入眠レム睡眠2回の基準は健康な一般人口にも約13%存在します。私たちが過眠症患者会でお会いしてきたナルコレプシー2型の約半数の患者様は別の原因を見つけ、症状が治癒され退会されます。
ナルコレプシー2型は医学的には一つの定義可能な疾患ではなく、眠気を呈する様々な別の疾患等の原因のグループが偶然MSLTという基準で線引きをされて診断基準を満たしていることのみに存在している可能性が高いという説が支持をされています。
特発性過眠症は初期に定義されてきたPolysymptomatic, Complete formという名で呼ばれてきた形態のみがいわゆる「本物の特発性過眠症」であり、このグループはナルコレプシーで例えると1型のような存在と解釈されています。
この形態は医学的にも定義可能で単独独立疾患として存在する可能性が高いことが、今までの多くの研究により強くサポートされています。本来の特発性過眠症の毎日12−14時間の長く深い睡眠は「長期の平均睡眠時間」です。夜間の深く途切れない長い睡眠など、その他の一貫した一連の症状を持つグループです。
しかし、現在特発性過眠症の診断を受けている多くの患者様はこの診断基準を満たしません。
現在の診断基準で診断を受けている患者様に典型的な症状は毎日8時間以下の睡眠時間をとり続けて毎日12−14時間眠り続けて睡眠酩酊や自律神経失調症などの症状を経験する症状ですが、8時間以下の睡眠時間は成人の約3人に1人は十分ではなく、数週間の14時間睡眠は睡眠負債の返済の症状であり、普段の睡眠時間が8時間睡眠であれば普通の症状です。本来の特発性過眠症とは全く別の疾患である確率が高いのです。
また、特発性過眠症は健常者の睡眠不足症候群以外にも発達障害に併発する睡眠障害、内科系疾患、免疫疾患、結合組織疾患など、この症状と似ている症状を引き起こす疾患が多く存在しますが、多くの医療機関でそれらの疾患の除外診断は行われません。
特発性過眠症の多くの症例はナルコレプシー2型と同様、MSLTの診断基準を満たしたことのみによりその診断を受けており、現在の特発性過眠症の診断を受けている多くの症例は一般人口でも約3人に1人が陽性になるMSLT8分以内の診断基準が存在したことのみにより存在が定義されているような状況です。
現在、長時間睡眠を伴わない特発性過眠症とナルコレプシー2型とよばれている疾患はナルコレプシー1型とPOLYSYMPTOMATICと呼ばれてきた長時間睡眠を伴う特発性過眠症とは別の疾患として一つのグループにまとめられ、Idiopathic Excessive Sleepinessという名称になるという発表があります。
特発性過眠症の疾患名は歴史上様々な研究団体や医療関係者に様々な解釈を得て、現代では原因不明の全ての眠気を呈する症状と同義語として使用されている傾向にあるようです。
特発性過眠症は各別の医療文献で別の定義をされている疾患です。
どれか一つの医学文献の診断基準を取り上げて論じると「この文献にはこう書いてあるので、その記述は間違えである」と指摘をいただきます。また、各個人の医療関係者や医師が別の解釈をしているのもこの疾患です。何か一つの定義を取り上げれば「僕の主治医は有名な睡眠専門の医師であるがこんなことは言っていない」とのお問い合わせもいただきます。特発性過眠症は個人の医師が別の見解を持っており、別の医療機関別の診断基準を採用している疾患です。何かの定義を取り上げることで、否定的なご指摘をいただくことが不可避である疾患です。
MSLTの有効性を主張される医療関係者様が稀にいらっしゃいますが、MSLTの過眠症の診断に関する有効性を支持する研究論文に関して具体的な提示を求めると回答が何も返ってこないというのが現実です。
特発性過眠症は現在医療関係者にも多くの誤解を受けている疾患です。
当団体は世界で一番大きな特発性過眠症専門学会や啓発団体と連携をとり、既に最新情報を取り入れています。
特発性過眠症は研究情報を提供することで寄付や会費を集めたりする団体が存在するようで、実際、過眠症の患者サポートを名乗る他国の団体ではそのようなうわべだけの見た目の良さを追求したような活動を行っているようです。
当団体で特発性過眠症の最新研究情報の提供を行う際には、その研究対象になっている疾患は、今臨床現場の診断を受けている患者様と全く関係のない別の疾患であるということをお伝えしています。そもそも健常者の3人に1人が陽性なる廃止が決定している診断基準で診断を受けている患者様が現在行われている多くの研究では対象にはなっていないということは想像に固くないでしょう。現在、特発性過眠症の多くの研究が発表されている中、現在の臨床現場で診断を受けているほとんどの患者様が「特発性過眠症」というカテゴリーで有意義な研究が進むことを期待しない方が良いということをお伝えします。
また、現在この診断基準の大幅改定がある現段階で、「特発性過眠症」という診断名にこだわり活動やサポートを行うことがあまり意味をなさないということをしっかりとお伝えしていきます。
成人に必要な睡眠時間は7−9時間で個人差があります。
現在の診断基準では毎日8時間睡眠が取れている健常者の約3人に1人が特発性過眠症の検査で陽性になります。
現在特発性過眠症の診断を受けている半数の患者様は毎日7時間以上の睡眠時間が取れていません。
毎日7時間睡眠では健常者の約70%が連日の14時間睡眠、日中の眠気や認知機能障害などの特発性過眠症の症状と定義されている健常者の睡眠不足症候群と同様症状の経験することでしょう。
睡眠不足症候群は数週間の毎日14時間睡眠、寝ても寝ても眠い、睡眠酩酊、起床困難、自律神経失調症などの特発性過眠症と同一の症状を呈します。
そして、現在の反復睡眠潜時検査MSLTでは現在本物の特発性過眠症であると様々な研究で支持を受けている長時間睡眠を伴う特発性過眠症(Polysymptomatic, Complete form)の患者様の多くが陰性になります。
しかし、現在診断や検査を受ける患者様がこの検査や診断基準の問題について説明を受けることは稀です。
睡眠専門医の先生もこのことを把握していないケースが多くあり、明らかに睡眠不足を疑われる症例の患者様がMSLT検査が陽性であるからと診断と投薬を受け、投薬をやめて睡眠時間を延長することのみで症状が完治される患者様が多く存在する一方で、長時間睡眠を伴う特発性過眠症の診断を受けている患者様の多くが現在のMSLTの診断基準に合わないからと投薬を打ち切られている状況です。
特発性過眠症の活動は正しい情報提供をせず、ただ単純にSNSに特発性過眠症に関連する研究の情報等を流すような活動をすれば、多くの「いいね!」をもらえます、世間一般への啓発活動も同様です。
当団体の特発性過眠症のサポートは、そもそも今診断を受けている患者様が研究の対象にすらなっていない最新研究情報を提供したり、現在、毎日8時間以上の睡眠時間を取ることが難しい日本の社会状況を把握しながら現在の診断基準の問題を啓発せず睡眠専門医の受診や診断を促し患者数を増やすような無闇に啓発を行ったり、診断基準の大幅な改定発表がある中で特発性過眠症の病名のみのサポートをする等、患者サポート団体としてうわべだけの見た目の良さを追求した活動は行いません。
現代の研究等を踏まえた有意義な活動を行なっていきます。