日本ロングスリーパー協会
ロングスリーパーの会
当団体はロングスリーパーを中心とする長時間睡眠を伴う全ての疾患を対象疾患とした患者サポート団体です。
1日10時間以上の睡眠が必要なロングスリーパー・長時間睡眠体質の人口は約1%、9時間以上は約5-10%存在すると言われております。
又、ロングスリーパー・長時間睡眠体質以外にも、特発性過眠症や二次性過眠症等、毎日10-20時間の長時間睡眠を必要とする疾患が存在します。
長時間睡眠の患者さんはいくつもの医療機関に受診しても適切な治療法が見つからないことが多く、長時間睡眠であることにより、仕事につけなかったり、怠け者とレッテルを張られたり、社会生活に大きな支障があります。
当過眠症患者会長時間睡眠グループではロングスリーパー・長時間睡眠体質を中心とし、特発性過眠症、睡眠時無呼吸症候群等他疾患に起因する二次性過眠症等、その他様々な原因の長時間睡眠で悩む人々の啓発、社会生活の向上のために活動しています。
【対象疾患】
・ロングスリーパー・長時間睡眠体質・長時間睡眠者・長眠者
・長時間睡眠を伴う特発性過眠症
・長時間睡眠を伴う二次性過眠症
・その他、診断名不明、原因不明の長時間睡眠を伴う全ての疾患
【主な活動】
◆長時間睡眠体質・ロングスリーパーと長時間睡眠を伴う特発性過眠症と二次性過眠症の世間一般への啓発活動。
◆長時間睡眠体質・ロングスリーパーと長時間睡眠を伴う特発性過眠症と長時間睡眠を伴う二次性過眠症と原因不明・診断名不詳の長時間睡眠の難病指定の要請。
◆二次性過眠症が長時間睡眠体質・ロングスリーパーもしくは長時間睡眠を伴う特発性過眠症に誤診され本来受けるべきであった治療から遠ざかってしまう可能性がある事の医療関係者に向けた啓発活動。
◆長時間睡眠の患者さんの就職問題等、社会生活改善の為の活動。
◆長時間睡眠体質を病気や障害であると認めてもらう活動。
◆「病気ではなく体質ならば、自分の努力で改善できるのでは?」と誤解を受けてしまう傾向があることから、長時間睡眠体質の名称変更の活動。
ロングスリーパーの会・日本ロングスリーパー協会
Our Members
当団体対象疾患
現在ロングスリーパーの診断基準が曖昧です。ロングスリーパーの患者さんが一つの診断名で定義されることは稀であり、
過去に一度診断を受けている患者さんは病院を変えるごとに診断名が下記のどれかに変わる傾向にあります。
長時間睡眠体質
ロングスリーパー
他疾患に起因する
二次性過眠症
長時間睡眠を伴う
特発性過眠症
診断名不明の
長時間睡眠
【ロングスリーパー・長時間睡眠体質・長時間睡眠者・長眠者】
ロングスリーパー(=長時間睡眠体質)は典型例10-12時間、重症例の方で1日20時間の睡眠が必要です。
1日10時間以上の睡眠が必要な長時間睡眠体質は人口の約1%、9時間以上は約5-10%存在すると言われており、必要睡眠時間が取れない場合、朝起きれなくなる・昼間に眠くなる・体調を崩してしまう等の問題を抱える体質です。
長時間睡眠体質は遺伝する傾向があり、両親や親族もロングスリーパーであるという方が多く、また子供の頃から長く眠る傾向があるというのも特徴です。
ロングスリーパーはいくつもの医療機関に受診しても病名が付かず、また治療法もないため、毎日平均で10-20時間の睡眠時間を確保する必要があります。
睡眠障害国際分類ICSD-3には「多くの長時間睡眠者は、職業上または学業上の理由から、仕事や学校のある平日は一晩の睡眠を9時間として、まずまずの成功を収めているが、週末や休暇中には一晩の睡眠を12時間以上に増やしている。」また「長時間の睡眠をとる人のほとんどが元来の長時間睡眠者なのか、睡眠時間の過剰をもたらす障害を持っているのかよくわかっていない。」と記載されています。
ロングスリーパーは本人に必要な睡眠時間が取れれば普通の人と変わらない生活が送れることから、海外では「健康な過眠症」と呼ばれ、病気と定義されるべきであるかは議論中であります。また日本国内では「ロングスリーパーは体質であり病気ではない」とされているケースが多いです。
「長時間寝てばっかりいる怠け者」とレッテルを貼られる事が多いですが、生まれつき必要な睡眠時間は本人の努力ややる気と全く関係がなく、自分の努力では改善できないのです。長時間睡眠体質であることによって仕事に付けない事があり、怠け者であるとレッテルを貼られることも多く、仕事や日常生活に大きな支障があります。
また、現在のロングスリーパーは診断基準がとても曖昧であり、ロングスリーパーの患者さんは病院を変えるだけで下記のどれかの診断を受ける傾向にあります。
【長時間睡眠を伴う特発性過眠症】
特発性過眠症はロングスリーパーとの鑑別診断が非常に難しい疾患として知られています。
特発性過眠症は「ナルコレプシーと区別できる過眠症」として1950年代、旧チェコスロバキアの医師によって世界で初めて発見発表定義されました。特発性過眠症は1956年の文献では"Sleep drunkeness"「睡眠酩酊」(すいみんめいてい)と記述され、後の1976年に「特発性過眠症」と正式に命名されました。当初の診断基準では、典型例で一日の総合睡眠時間12-14時間、いくら寝ても眠気から覚めることはない、寝起きが非常に悪く、睡眠酩酊を伴うのが特徴です。推定有病率は十万人に数人とも言われていたとても稀な疾患です。
このチェコスロバキアの医師が発見定義した特発性過眠症は「ナルコレプシーと区別できる(=関連のない確率の高い)過眠症」であり、長時間睡眠と起床困難を主な特徴とする疾患です。このグループは起床困難のない入眠の早い病気であるナルコレプシー1型の診断基準として開発されたMSLT検査で約70%以上の患者が陰性を示すことが指摘されており、現在、MSLTを特発性過眠症の診断基準として組み入れている医療機関や睡眠障害国際分類第3版ICSD3で定義されている特発性過眠症とは異なるグループであります。
現在、各医療機関や各睡眠専門医個人が独自に定義・解釈をした様々な診断基準で特発性過眠症と診断を受けている患者さんグループの中で当初の特発性過眠症の診断基準を満たす方は非常に稀です。
インターネット上の情報や患者さんの情報は、この1950年代チェコスロバキアの医師に定義されていた特発性過眠症とICSD3やその他医療機関により異なる様々な診断基準で定義されてきた特発性過眠症の情報が混在しているようです。
現在の日本で幅広く使用されている睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)の特発性過眠症の診断基準に大きな問題があり、数多くの特発性過眠症専門の研究者、特発性過眠症の専門研究機関、ICSD3 を出版した団体、米国睡眠医学会(AASM)、特発性過眠症の診断基準の筆者ですらICSD3の特発性過眠症の診断基準に問題があることを認めています。
今多くの医療機関で終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)に問題のない、反復睡眠潜時試験(MSLT)が8分以内もしくはアクチグラフフィーで1週間平均睡眠が1日11時間以上の全ての症例が一括りに特発性過眠症と診断を受ける傾向にある様です。
特発性過眠症は様々な医療機関・研究機関において、診断基準の違った解釈・定義をされているため、診断基準に問題があると国際的に議論がされている疾患です。当会で過去に睡眠専門医に特発性過眠症の確定診断を受けた患者さんが、更に複数の睡眠専門医をセカンドオピニオン受診し、全ての病院で特発性過眠症と診断を受ける事は非常に稀であり、過去に睡眠専門医に特発性過眠症の確定診断を受けている患者さんは受診する病院を変える度、診断名が変わるという状況です。
又、ロングスリーパーと特発性過眠症とは本来全く別の病気でありますが、今現在同じ患者さんが受診する病院を変える度に「特発性過眠症です」「長時間睡眠体質です」と診断名が変わり、睡眠専門の医師ですら判断に迷う症例が多いという現状があります。
「特発性過眠症は寝ても寝ても眠気から覚めることはない。」「ロングスリーパーは一定時間寝るとそれ以上眠くない。」といわれておりますが、社会的事情等で睡眠時間の延長を行う事が難しいケースが多く、ロングスリーパーであるか過眠症であるかを確認することが難しい様です。
現在広く使用されている特発性過眠症のMSLT診断基準は毎日8時間睡眠が取れている健康な一般人口でも約30%が満たす睡眠不足と同一検査結果です。また、特発性過眠症の併発症状である睡眠酩酊起床困難や自律神経の併発症状も睡眠不足と同一症状です。
例えば当患者会では毎日の平均睡眠時間が6時間以下で「寝起きが悪い、昼間に眠くなってしまう、休日等で時間があればいくらでも寝れる。」と言われる患者さんが特発性過眠症と診断を受け、1年間毎日の平均睡眠時間が14-20時間で「毎日20時間以下だと寝起きが悪い、再度昼間に眠くなる、でも毎日20時間寝ればそれ以上は眠くない。」と言われる患者さんがロングスリーパーと診断を受けています。
又、患者さんが睡眠時無呼吸症候群等の他疾患に起因する二次性過眠症を併発しているケースも各専門医により診断名が変わり、特発性過眠症であるか二次性過眠症であるかの判断は各個人の医師や各医療機関により異なるようです。
特発性過眠症は1950年代の発表から診断基準が何度も改定されており、今世界中の研究者に問題視されている現在の診断基準にも改定発表があります。
当患者会では長時間睡眠を伴う特発性過眠症とロングスリーパーとその他二次性過眠症等の長時間睡眠を伴う疾患を同じ長時間睡眠グループとして活動を行っております。
【原疾患に伴う二次性過眠症に起因する長時間睡眠】
糖尿病、脳腫瘍、肝臓の病気、甲状腺の病気等、他の病気が原因である二次性過眠症です。発達障害もここのグループに含まれます。
これらの疾患の患者さんは睡眠時間を毎日10-20時間取ることがあり、適切な検査を受けていないとロングスリーパーや長時間睡眠を伴う特発性過眠症と誤診を受ける可能性があります。
当患者会で過去に長時間睡眠を伴う特発性過眠症もしくはロングスリーパーであると診断を受け、長い間本人もそうであると思い込んできた患者さん達が実は甲状腺の病気、糖尿病等が真の眠気の原因であったり、当患者会の二次性過眠症を引き起こす可能性のある疾患リストに載っている病気が眠気の原因であったという報告が多数存在します。
終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)では判明しない過眠の原因になる疾患等は沢山存在するにもかかわらず、PSG検査に異常がなかったことのみで特発性過眠症もしくはロングスリーパーと診断を受け、患者さんが適切な除外診断を受けられない現在の医療制度が問題です。
当会では、発達障害関連過眠症を含めた他疾患に起因する二次性過眠症長時間睡眠グループの患者様もロングスリーパー&長時間睡眠を伴う特発性過眠症と同じ長時間睡眠グループとして活動を行っております。
【診断名不明・原因不明の長時間睡眠】
当患者会には、色々な病院を受診し、入院をして様々な検査を受け、それでも原因が見つからない、診断名のつかない原因不明の長時間睡眠の患者さんが多数いらっしゃいます。
・毎日15時間以上寝ている、睡眠酩酊はなく、一度起きれば全く眠気がないので特発性過眠症ではない。
・生まれつき長時間睡眠ではないし、典型的なロングスリーパー長時間睡眠体質でもない。
・長時間睡眠の間、記憶にも思考力にも問題なく、食欲や性格の変化もないので、クライン・レビン症候群でもない。
・二次性過眠症に関して可能な限りの全ての検査を受けているがそれでも判明しない。
この様に今現在定義されているどの疾患にも当てはまらなく、診断名がはっきりしない原因不明の長時間睡眠というカテゴリーが存在します。
診断名不詳の長時間睡眠の患者さんの多くは過去に、特発性過眠症、長時間睡眠体質、クライン・レビン症候群等の診断を受けていますが、本人的には症状のバイオマーカーに当てはまらないので、誤診だと感じており、更に幾つもの病院を回り、「診断名不明・原因不明の長時間睡眠」と言われ続けたり、全ての病院で違う病名を告げられているものです。
原因不明の長時間睡眠は睡眠中に起きるてんかん発作やレム睡眠行動障害等が毎日発作が起きていない場合PSGで見逃される可能性がありますし、こういった検査で見つけることができない二次性過眠症疾患は多数存在します。
又、未だ発見・定義・命名されていない未知の二次性過眠症・一次性過眠症が存在するのかもしれません。
What we do
活動内容
Meet ups
現在LINEグループにて交流を行っております。オフ会も計画中です。
Raise Awareness
長時間睡眠体質、長時間睡眠を伴う特発性過眠症、誤診されがちな病気の啓発活動を行っております。
Provide Infomation
長時間睡眠体質と誤診されやすい病気とその改善法の情報を提供しています。
Change the Name
病気や障害でなく体質なのであれば本人の努力が足りないからではないか?と誤解を受けてしまうことがあります。長時間睡眠体質を病気や障害として認めてもらう活動並びに名称変更運動を行っています。
Activism
長時間睡眠を伴う疾患全般の難病指定の要請等の社会福祉改善のための活動を行います。
Work Related Support
長時間睡眠の為、仕事に就くことが難しい患者様の為に仕事に関するサポート、国へ要請等の活動を行っていきます。
Testimonials
体験談